技能実習用語集

移籍と離脱

監理団体(協同組合等の団体)、実習実施者(企業)のいずれか、または両方が、何らかの理由により技能実習の継続が困難となった場合で、技能実習生が技能実習を継続することを希望した場合には、入国管理局に「活動機関に関する届出」を行って許可を受ければ、技能実習生は新たな監理団体の監理又は実習実施者の管理の元、技能実習を継続できます。
技能実習生は、旧監理団体、旧実習実施者またはその両方から離脱し、新たな監理団体、実習実施者またはその両方に移籍することとなります。

送出機関(おくりだしきかん)

技能実習生の母国で、海外への労働者派遣の許可を受け、技能実習生を派遣する団体・企業です。
送出機関の行う業務は技能実習生の募集、選抜、健康診断、事前教育、出国支援、日本の受入れ機関との連絡会議、派遣企業との協議、日本滞在中の技能実習生へのケア・トラブル発生時の対応、技能実習生の帰国の受入れ等々、幅広く、多岐に及んでいます。
駐在員の日本語レベルは、その送出機関の日本語教育水準と直結していることがほとんどです。技能実習生の技能・技術が未熟であっても、日本語が通じれば、技能実習生への指導を通じて技能・技術を向上させることが出来ます。そのため、当組合では日本語教育水準の高い送出機関とのみ契約しています。
また、日本に駐在事務所を設置し、日本語の堪能な駐在員が常駐している送出機関であれば、技能実習生とコミュニケーションを取り、トラブルを未然に防ぐことができ、万一トラブルが発生した場合でも、迅速な対応により早期解決が可能となります。

外国人技能実習生総合保険

公的な保険(社会保険)を補完し、技能実習生が治療費の心配をせずに治療できることを目的につくられた保険です。3割の自己負担分を補完してくれるため、技能実習生は自己負担ゼロで病気や怪我の治療ができます。
技能実習生は来日後最初の1ヶ月間は講習期間のため、企業の社会保険に加入することができません。技能実習生総合保険では、この期間の治療費用は100%補償となります。
当組合では、一般的な組合が加入している外国人技能実習生総合保険(いわゆるJITCO保険)よりも、補償内容が手厚く、保険料も安い技能実習生総合保険に加入しています。

監査

監理団体は、技能実習を実施する企業(実習実施者)を定期的に訪問し、技能実習が適正に行われているかについて監査しなければなりません。そしてその結果を入国管理局に報告する義務を負っています。
監査内容は、技能実習の実施状況、技能実習指導員の指導、技能実習生の生活環境等、技能実習生のケア、不正行為の有無等です。
監査は、3ヶ月ごとに最低1回、初めて技能実習生を受入れた監理団体(組合)は最初の6ヶ月間は毎月、監理団体(組合)の役員が行うことと、技能実習生の入国・在留管理に関する指針に定められています。

監査結果報告

監理団体は、実施した監査内容を監査結果報告書としてまとめ、監理団体(組合)を管轄する地方入国管理局に報告しなければなりません。
この報告内容に虚偽の内容があると、不正行為認定を受けます。この点で、技能実習実施機関を巡回指導を行って虚偽の報告をしても何ら罰則のないJITCOと監理団体(組合)の負う責任は大きく異なります。

監理

監理団体は、技能実習を実施する各企業(実習実施者)において、技能実習計画に基づいて適正に技能実習が実施されているかどうか、その状況を確認し、適正に実施されるよう、企業(実習実施者)を指導しなければなりません。
日常的な技能実習生の指導、生活面のケアは、企業(実習実施者)及び送出機関の責任の下に行われます(管理)。
監理と管理についてはこちら

管理

技能実習生の管理は、日常的に技能実習生と接している企業(実習実施者)が行わなければなりません。企業(実習実施者)は、以下の点に留意し、監理団体及び送出機関と協力して技能実習生を管理する必要があります。
・適正な技能実習生の選抜
・技能実習計画に沿った技能実習の実施
・技能及び技術の指導
・生活指導
・技能等の修得状況の確認
・労働関係法令の遵守
技能実習生の管理のためと称して、パスポートや在留カード、預金通帳等を預かる行為は、入管法上の不正行為または不正行為に準ずる行為に該当しますので、仮に技能実習生から要望があったとしても、決して預かってはいけません。
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監理団体

当組合のような、技能実習生の技能等を修得する活動の監理を行う、営利を目的としない団体(商工会や中小企業団体)で、団体要件省令を満たした団体をいいます。
監理団体に加入して技能実習生を受入れることで、下表のように受入れ人数枠が緩和されます。

従業員数 受入れ可能人数
1~2人 従業員と同数
2人~50人 3人
51人~100人 6人
101人~200人 10人
201人~300人 15人
301人~ 従業員の5%

常勤の役員数は従業員数に含めることが出来ますので、役員の常勤性を証明する書類(賃金台帳、出勤簿等)を提出することで、従業員数として算入できます。

技能実習計画

技能実習生を受入れて、技能実習を実施するためには、それぞれの作業職種にあった技能実習計画を策定し、入国管理局へ提出しなければ在留許可を得ることが出来ません。この計画は1号、2号及び3号期間の期間を区切りそれぞれ必要となります。
実習実施者(企業)はこの計画に基づいて技能実習を実施することになり、監理団体は経過に沿って実習が行われているかどうかを監理することになります。
法改正後は、この計画について監督機関から認定を受けなければならないこととなります。実際の作業と、認定を受けた計画書に齟齬がある場合には、不正行為認定の対象となりますので、計画に沿った技能実習の実施が求められます。

技能検定試験

国(厚生労働省)によって設けられている試験制度で、技能実習生が受検する対象級は、基礎2級(技能実習1号期間の4分の3程度を修了した者)、基礎1級(技能実習2号1年目の修了予定者)、随時3級(技能実習2号2年目の修了予定者)(当該職種に係る基礎2級、基礎1級に合格した者)となります。随時3級についての実施職種は57職種87作業となります。
試験は、学科試験(基礎2級20問、基礎1級30問、随時3級30問。試験時間は1時間)及び実技試験により行われ、合格基準は学科試験、実技試験とも100点満点で60点以上です。
技能実習生が1号から2号への移行条件として基礎2級の合格が必須となります。
この試験は中央職業能力開発協会が試験問題を作成し、各都道府県の職業能力開発協会が随時実施して、合否の判定後、各都道府県知事より合格証の交付を受ける仕組みとなっています。
この他、厚生労働大臣が認めた評価制度により、民間団体が行う技能評価試験があり、対象級がそれぞれ初級、中級、上級と設けられています。その目的はいずれも、職業能力開発促進法に基づいて実施される能力評価のための試験です。

技能実習指導員

外国人技能実習生を受入れるためには、「技能実習指導員」を配置しなければなりません。技能実習指導員は、技能実習計画に基づいて日々の技能実習生の指導に当たることとなります。
指導員は、職種・作業の実務経験が5年以上あることが一つの条件とされていますが、技能実習生を指導する立場の責任者としては、職種・作業に応じた有資格者を配置することが望ましいでしょう。

技能実習生

日本の企業で働きながら、技能等の修得を目的として来日する、申請時に満18歳以上の発展途上国等の壮青年が対象者です。自国で一定期間(当組合では4ヶ月以上を推奨)、日本語、日本の習慣、企業文化等を学んでから来日し、その後、監理団体が実施する1ヶ月160時間講習(法定講習)を経て、実習実施者(企業)に配属されます。
技能実習生には、労働基準法の他、労働関係法令が適用されますので、これらに違反する企業は技能実習生の受入れができません。いわば技能実習生を受入れている企業=労働関係法令を遵守している優良な会社といえます。
技能実習生の1年目の在留資格は「技能実習1号ロ」で在留を許可され、その後2年、3年目は「技能実習2号ロ」の資格で在留することとなります(現在最長3年間の在留が可能)。技能実習2号移行対象職種でなくても、1年間の技能実習であれば受入れが可能です。詳しくはお気軽にご相談下さい。
今後法改正により、認定条件を満たした場合は「技能実習3号ロ」として、さらに2年間の技能実習の延長が認められる予定です。2号から3号への移行条件については、法改正後に詳しく記述いたします。

技能実習生受入れ可能職種

法務省入国管理局の定める上陸基準に適合し、許可される職種であれば、1年間に限り「技能実習1号ロ」として技能実習生を受入れることが出来ます。また、前記の通り、技能実習2号移行対象職種に該当する職種・作業であれば、現在最長3年間の技能実習を実施することが可能です。技能実習2号移行対象職種でなくても、1年間の技能実習であれば受入れが可能です。詳しくはお気軽にご相談下さい。

技能実習生受入れ人数

技能実習生を受入れようとする企業(実習実施者)が単独で技能実習生を受入れる場合は、法令により常勤職員数の5%の人数と定められています。この法令を適用した場合、常勤職員数6名の中小零細企業では計算上0.3人となり、技能実習生の受入れができないこととなります。
これを回避するために、特別措置として当組合のような監理団体(組合)に加入して技能実習生を受入れる場合には、下表のとおりに受入れることが可能です。

従業員数 受入れ可能人数
1~2人 従業員と同数
2人~50人 3人
51人~100人 6人
101人~200人 10人
201人~300人 15人
301人~ 従業員の5%

入国管理局の定める常勤の職員とは、週40時間以上勤務する者で、連続して6ヶ月以上勤務する従業員等をいいます。なお、登記されている役員についても、常勤性を証明する書類(賃金台帳、出勤簿等)を提出することで、常勤の職員として算入することができます。

組合

中小企業等協同組合法を根拠法として設立された団体です。中小零細企業によって構成され、組合に加入した企業は組合員となり、組合員の相互扶助を目的としています。
外国人技能実習生受入れ事業においては監理団体と呼ばれ、組合が監査を行うことにより、組合員には受入れ人数枠の緩和などの優遇措置があります。

国際研修協力機構(JITCO/ジツコ)

かつては公的な性格を有していましたが、現在では組合などと同等の公益財団法人です。主に厚生労働省からの委託事業を生業とし、企業への立ち入り権限がないにも関わらず、「巡回指導です」といって立ち入り、様々な書類の提出を求めてくる団体です。
外国人技能実習制度を利用するに当たり、未だに加入は必須と勘違いされている組合も多く見られますが、加入は任意であり、加入していなくても何ら支障はありません。

最低賃金

労働者に対して最低限支払わなければならない賃金の下限額です。技能実習生も労働者ですので、当然最低賃金以上の賃金を支給する必要があります。
1年目から3年目までずっと最低賃金のままというのは、技能実習生のモチベーションを維持するのは困難です。日本語の上達具合、技術・技能の修得度合いに応じて、2年目、3年目と少しでもアップさせていくと、技能実習生のモチベーションも違ってきます。

在留カード

外国人登録証明書に代わって、平成21年7月15日の制度改正に伴い導入された、外国人の身分証明書です。日本に中長期(3ヶ月以上)在留する外国人に発行され、常時携帯が義務づけられています。
氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などが記載されており、特に企業様は在留期間及び就労の可否を確認することが何よりも重要です。在留期間が過ぎていた場合は不法滞在、就労不可なのに働いた場合は不法就労という罰則を伴った犯罪行為ですので、外国人を雇用する際は必ずご確認下さい。確認を怠って雇い入れてしまった場合、事業主様も刑罰に処せられます。

在留期間

技能実習生が日本に在留(滞在)可能な期間のことで、在留カードに記載されています。
通常、1年ごとに更新となりますが、過去に不正行為を認定されたことのある監理団体等の場合、半年しか在留期間が認められない場合もあります。

在留期間更新

技能実習生の在留期間を更新することです。
技能実習生は、1号と2号とに大別されます(2015年の改正法施行後は3号が新設)。技能実習1号は1年のみですが、技能実習2号は最長2年間の滞在が認められています。
ただし技能実習生に与えられる滞在期間は1年間が最長のため、技能実習2号の1年目から2年目へ移行する際の手続きを、在留期間更新申請と呼びます。

在留資格

外国人が日本に滞在する根拠となるもので、「出入国管理及び難民認定法(いわゆる入管法)」に定める活動を行うことができる資格のことです。
外国人が日本在留中に行うことができる活動の範囲は、この在留資格に対応してそれぞれ定められており、「資格外活動の許可」を取得する場合を除いて、原則として外国人はその在留資格に属する活動の下で許されている以外の、収入を伴う活動は行えません。

在留資格認定証明書

入国管理局が日本に入国、在留を希望する外国人が行う活動がそれぞれのビザの条件に適合しているかどうかを審査し、その条件に適合すると認めた場合に交付される証明書です。
この在留資格認定証明書を在外日本公館に提示してビザ申請をすれば、入国および在留の条件に適合していると認められ、迅速にビザの発給を受けられます。

在留資格変更

技能実習生の在留資格を、技能実習1号から2号へ、2号から3号へ変更することをいいます。
管轄の入国管理局に、「在留資格変更許可申請」を行い、許可を受けることで在留資格が変更されます。

三六協定

正式には「時間外・休日労働に関する協定届」といいます。労働基準法第36条が根拠になっていることから、一般的に「36協定」という名称で呼ばれています。
事業所を所管する労働基準監督署に届け出ることによって、労働者に残業や休日出勤をさせることができるようになります。
中小零細企業では届け出を行っていない事業所が多いようですが、3ヶ月に一度の定期監査での監査項目に含まれていますので、外国人技能実習生を受入れて、技能実習生に残業や休日出勤をさせる場合には、届出が必須です。

事前教育

技能実習生が日本に入国する前に、送り出し機関によって実施される日本語、日本の文化および習慣の教育です。
一般的には3ヶ月間実施して入国させるケールがほとんどですが、当組合では4~6ヶ月行うことをお勧めしています。なぜなら、入国時の日本語レベルが全く違うからです。
実習実施者に配属された後、仕事の教育や指導は日本語のみで行います。そのため、日本語が出来るのとそうでないのとでは、技能実習生の技能の修得度合いが大きく異なってきます。

JITCO(ジツコ/国際研修協力機構)

かつては公的な性格を有していましたが、現在では組合などと同等の公益財団法人です。主に厚生労働省からの委託事業を生業とし、企業への立ち入り権限がないにも関わらず、「巡回指導です」といって立ち入り、様々な書類の提出を求めてくる団体です。外国人技能実習制度を利用するに当たり、未だに加入は必須と勘違いされている組合も多く見られますが、加入は任意であり、加入していなくても何ら支障はありません。

失踪

技能実習生が、実習実施者から行方をくらますことです。多くはブローカー等を通じて他の企業で働いていたりしますが、立派な犯罪です。
技能実習生は、入国管理局が許可した実習実施者でのみ働くことを許されています。他の企業で働いた場合は不法就労、在留期間が過ぎている場合は不法滞在となり、いずれも罪に問われます。
失踪の理由として多く挙げられているのが、過酷な労働や人権侵害等です。もちろん、こうしたは不正行為となりますので、監理団体が厳しく指導し是正しなければなりません。
しかしそれでも、失踪する理由にはなりません。不正行為が行われていたなら、監理団体に相談することも出来ますし、入国管理局でも多国語で対応可能な相談窓口を設けていますので、そこに相談し、保護してもらえば済む話です。希望すれば同一職種の別の企業に移籍することも可能です。
それをせずに失踪するのは、単にお金をもっと稼ぎたいからという自分勝手な理由に過ぎないのではないでしょうか。

社会保険

健康保険と厚生年金保険を総称して社会保険と呼称します。従業員を一人でも雇い入れている事業所は加入が義務づけられています。
技能実習生も労働者であるため、会社で加入している社会保険に加入させる必要があります。
例外として、建設業の場合は土建組合を通して国民健康保険・国民年金に加入すれば、社会保険に加入しているものとみなされます。

巡回指導

監理団体に課せられた義務の一つで、技能実習1号が在籍している実習実施者を、職員が月1回以上訪問し指導するよう、団体要件省令に定められています。
『監理団体は(中略)「技能実習1号」の活動期間中は、1月につき少なくとも1回、監理団体の役員又は職員(当該団体の監理の下で技能実習を実施する実習実施者の経営者又は職員を除く。)が実習実施者に赴いて技能実習の実施状況を確認し、適正な技能実習の実施を指導しなければならない』

所得税

個人の所得に対して課される税金で、技能実習生に対しても課税されます。
租税条約締結国の技能実習生の場合は、税務署に「租税条約に関する届出」をすることで、源泉徴収をする必要はなくなります。また、市役所等に控えを提出することにより、住民税も課税されなくなります。
対象国(※技能実習生の多い東・東南アジア)は次の通りです。
中国、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア

申請取次資格

技能実習に係る申請、特に在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請は技能実習生本人が入国管理局に赴いて、パスポート、在留カードを提示して行うことが原則です。
弁護士や行政書士等であれば、技能実習生のパスポート・在留カードを預かり、申請を取り次ぐことが可能です。監理団体の職員でも、この申請取次資格を有している者であれば、弁護士や行政書士等と同じく、申請を取り次ぐことが出来ます。

生活指導員

技能実習生が技能を修得するに当たって、その基盤となる日常生活を円滑に送れるよう、実習実施者が職員の中から定めなければなりません。「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」にも次のように定められています。
『生活指導員は、技能実習生の我が国における生活上の留意点について指導するだけではなく、技能実習生の生活状況を把握したり、技能実習生の相談に乗るなどして、問題の発生を未然に防止するよう努めなければならず、その役割は重要です』

生活費

技能実習生は来日直後から最低1ヶ月、法定講習を受講しなければなりません。その間は労働者ではないため、給料はもらえません。
それでも技能実習生は食べていかなければならないため、講習期間中の食費等を生活費として、実習実施者は支給しなければなりません。

転入届・転出届

技能実習生が住居を定めた日から14日以内に、住居地の市役所・役場へ転入届をしなければなりません。
手続きの流れは、入国→講習中の宿泊所所在地へ転入届→講習終了後、転出届→実習実施者の寮の所在地へ転入届となります。
その他、寮の所在地を変更した場合には変更届も忘れずに届け出てください。

入国管理局

平成31年4月1日から、入国管理局は「出入国在留管理庁」となりました。
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パスポート(旅券)

政府又はそれに相当する公的機関が、国外に渡航する者に国籍及びその他身分に関する事項に証明を与えるために交付するものです。
外国人技能実習生も、それぞれ母国で発行された旅券(パスポート)を持って来日します。技能実習生の旅券(パスポート)を、失踪防止のため等いかなる理由があっても、また、本人からの申し出があっても、企業(実習実施者)が保管することは、法務省入国管理局の技能実習生の入国・在留管理に関する指針により禁止されています。

ビザ(査証)

外国にある大使館や領事館が、当該外国人の日本への入国は問題ないと判断した場合に、パスポートに押印されるもので、現在はシール式のものが主流となっています。
有効なビザを所持して入国した場合、ビザに対応した在留資格が与えられます。入国を許可された時点でビザは使用済みとなり、入国後は入国時に与えられた在留資格が、外国人の在留する根拠となります。
例外として次の3つの場合には、ビザが無くても入国できます。
・査証相互免除取り決め国の人
・再入国許可を持つ人
・特例上陸許可の場合

不正行為

監理団体や実習実施者が以下の行為を行った場合、不正行為認定を受け、程度に応じて不正行為が終了した日から1年・3年・5年は技能実習生を受入れることが出来なくなります。監理団体が実習実施者において不正行為が行われていることを放置した場合、実習実施者とともに監理団体も処罰されます。
〇暴行・脅迫・監禁
〇旅券・在留カードの取り上げ
〇賃金等の不払い
〇人権を著しく侵害する行為
〇偽変造文書等の行使・提供
〇保証金の徴収等
〇雇用契約に基づかない講習の期間中の業務への従事
〇二重契約
〇技能実習契約との齟齬
〇名義貸し
〇実習実施者における不正行為の報告不履行・実習継続不可能時の報告不履行
〇監理団体における実習継続不可能時の報告不履行・不正行為の報告不履行・監査、相談体制構築等の不履行
〇行方不明者の多発
〇不法就労者の雇用等
〇労働関係法令違反
〇営利目的のあっせん行為
〇再度の不正行為
〇日誌等の作成等不履行
〇帰国時の報告不履行

不法滞在外国人

外国人が日本に滞在する場合には、何らかのビザを所有し、そのビザに基づいた活動を行うことが「出入国管理及び難民認定法(いわゆる入管法)」に定められています。
ビザを所有せずに日本に滞在した場合には、入管法違反の不法滞在外国人として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が課せられ、強制退去させられることになります。
また、ビザに指定された以外の活動を行うことも不法滞在外国人として処罰の対象となります。例えば、技能実習生が他社でアルバイトをしたり、失踪して働いた場合も該当します。

変形労働

労働基準法第32条には、労働時間は1日8時間、1週40時間と定められています。繁忙期・閑散期のはっきりした職種の場合、閑散期の労働時間がいくら短くても、繁忙期に残業をさせた場合には残業代を支払わなければなりません。
変形労働時間制を採用して、管轄の労基署に届け出ていれば、対象期間内(1ヶ月単位、1年単位)は、労働時間の長い週(または月)と短い週(または月)とを平均して計算することが出来ます。
時期により繁閑のはっきりした職種の場合には、変形労働制を採用することにより、時間外労働をもたらすことなく、繁閑に応じて所定労働時間を変化させることが出来ます。

法定講習

監理団体は外国人技能実習生に対し、入国後一定時間以上の講習を実施することを、上陸基準省令で義務づけられています。一定時間とは、通常2ヶ月、入国前に160時間以上の講習を受けた場合には1ヶ月となります。
講習期間中は、実習実施者と技能実習生との間に雇用関係は生じていないため、夜間や休日であっても技能等の修得活動をさせることはできません。

法定三帳簿

法定三帳簿とは、事務所に設置することを義務づけられた帳簿のことです。
・労働者名簿(労働基準法第107条)
・賃金台帳(労働基準法第108条)
・出勤簿またはタイムカード(労働基準法第108条 則54条)
注意すべき点は、各「事業場ごとに」作成し、備え付けなければならない点です。

離脱と移籍

監理団体(協同組合等の団体)、実習実施者(企業)のいずれか、または両方が、何らかの理由により技能実習の継続が困難となった場合で、技能実習生が技能実習を継続することを希望した場合には、入国管理局に「活動機関に関する届出」を行って許可を受ければ、技能実習生は新たな監理団体の監理又は実習実施者の管理の元、技能実習を継続できます。
技能実習生は、旧監理団体、旧実習実施者またはその両方から離脱し、新たな監理団体、実習実施者またはその両方に移籍することとなります。

旅券(パスポート)

政府又はそれに相当する公的機関が、国外に渡航する者に国籍及びその他身分に関する事項に証明を与えるために交付するものです。
外国人技能実習生も、それぞれ母国で発行された旅券(パスポート)を持って来日します。技能実習生の旅券(パスポート)を、失踪防止のため等いかなる理由があっても、また、本人からの申し出があっても、企業(実習実施者)が保管することは、法務省入国管理局の技能実習生の入国・在留管理に関する指針により禁止されています。

労働基準監督署

賃金や労働時間等に関する労働基準法・最低賃金法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法などの法律の施行を行っています。具体的には、労働者を使用している企業に対し指導、監督等を行っています。技能実習生は上記の労働法の権利が付与され保護されています。
労働基準監督署には、技能実習生に残業をしてもらう際に必要な三六協定や、変形労働時間制を採用している企業は変形労働に関する届出書を提出する必要があります。

労働関係法令

技能実習生は、技能実習実施機関(企業)と雇用契約を結んだ労働者です。そのため、以下の労働関係法令が適用されます。
・労働基準法
・最低賃金法
・安全衛生法
・労災保険法
・職業安定法
・雇用保険法
・健康保険法
・厚生年金保険法
・労働契約法
・雇用対策法
・男女雇用機会均等法
・出入国管理及び難民認定法(入管法)
・技能実習生の入国・在留管理に関する指針

労働保険

技能実習生は、労働基準法など労働関係法令の適用を受ける為、労働保険及び社会保険に加入しなければなりません。従来は従業員5名未満の事業所は加入対象外でしたが、平成17年度から、従業員を1名でも雇用している企業は加入が義務となりました。技能実習生受入れ人数の基準となる従業員数は、労働保険に加入している従業員数となっています。そのため日本人従業員が1人も保険に加入してないと、従業員数0となり技能実習生の受入れが出来ません。
ただし、常勤の役員数は従業員数に含めることが出来ますので、役員の常勤性を証明する書類(賃金台帳、出勤簿等)を提出することで、従業員数として算入できます。